フリースタイル競技B部門 演技ルール・審査基準 (2019-2024)

フリースタイル競技B部門に参加する選手は必ず、以下を一読ください。

使用ヨーヨーやストリングに関して追記、更新があります。(2023.1.10)

演技規則(注意事項や禁止事項など)

演技時間について

選手は自分で選んだ音楽に合わせて1分以内のフリースタイル(自由演技)をする。

音楽再生装置の0:00から1分を計測する。音楽は音楽再生装置上の1:00から1:01の間で停止させる。曲のスタート時に無音部分がある場合でも同様である。1分に満たない音楽トラックの場合は、1トラックを再生し終えた時点で終了する。

音楽が機材不調などにより、1分に満たない間に停止した場合、演技中の選手がプレイを続けている限り、採点を継続する。音楽の停止などによって選手が演技を中止した場合、音楽機材とCDの状況などを勘案しながら、選手はジャッジと相談し以下より選択することができる。

  1. 音楽が中断した位置から再審査を受ける
  2. 音楽の初めから再審査を受ける(直後、もしくはその部門の最後)
  3. 音楽が停止した時点を最終スコアとし再審査を受けない

音楽開始前に、ヨーヨーを使用することできない。スリーパーやマウントなどをした状態で演技を開始することはできない。音楽開始前はヨーヨーが手に収まっている状態で待機すること。(ステージ上の選手は、待機中もヨーヨーを使用しないように務める。また、確認やヨリ調整は、ステージに上がる前に済ませるように務める。)

1分が経ち音楽が止まり次第、選手は速やかにヨーヨーを停止させなければならない。演技時間終了後もしくは、ステージから降りるまで減点は継続される。演技が終了したことを示す動作(礼など)の完了をもって演技終了と判断するが、演技終了後もプレイを再開した場合、減点は継続される。

万が一、音楽が予定再生時間未満で終了・停止した場合は、直ちに選手自ら、運営またはジャッジに申し出る必要がある。結果発表後は、再審査の要求は認められない。逆に、何らかの事情で1分以上音楽が再生され、そのまま1分以上演技を選手が継続した場合、選手は失格となる場合がある。必ず選手は、自身の音楽の1分に当たる部分を把握し、1分以内に、演技を終了しなければならない。

注意・お願い

音楽開始時の音量が低い、開始場所が異なる、異なる音楽が流れた場合は、ただちに演技を止め、ステージ上のスタッフまたは、ジャッジに通達してください。

1分に満たない場合でも、選手の礼や、退場する仕草、プレイの停止、音楽の終了(トラック終了や、一定の無音部分など)などをサインとして、演技、採点を終了する場合があります。該当する行為が演技に含まれる場合は、当日、MC、音響スタッフ、ジャッジに必ずお知らせください。可能な限りほかスタッフに通達、考慮します。

使用音楽について

使用音楽についてのガイドラインや提出方法は、別項の「使用音楽について」を参照すること。

行動・動作について

全ての選手は、観客・会場施設・大会設備そして選手自身の安全を考えた演技をしなければならない。ジャッジは協議の結果、危険もしくは不適当な行為をした選手を失格にすることができる。

ステージ上で、不適当な行動・発言・衣装をした選手をジャッジ・運営責任者は失格にすることができる。ここでの「不適当」とは、中傷・わいせつなものなど、公序良俗に反するとみなされるものを指す。例えばF**k などといった、いわゆるFワードのプリントのシャツの着用などもそれに該当する。

もし、選手が自分の予定している動作が適当なものか不確かな場合は、事前にジャッジに確認することができる。

安全面・公平性などから、演技中(音楽再生中)に選手はステージの上から降りることを許されない。降りた場合は、その瞬間、演技が終了したと見なされる。同様にステージから落ちたヨーヨーを拾うことも許されない。

ステージ端に座る、もしくは、ステージ端での演技は落下の危険があるため認められない。危険行為とみなし失格となる場合もある。

演技中は、選手のみがステージに立つことができる。演技中のいかなるアシスタントも許可されない。

ほかの選手の妨害や、中傷・問題行為などに関しては、大会中や前後の行動・発言も含めて、競技会失格の対象になる。

ステージ上での演技エリアについて

ステージには、約 6 m (横幅) x 4 m (奥行)の演技エリアがテーピングなどで示してある。ステージが、それよりもせまい場合や、マークができないステージなどはその限りではない。

ステージ端などで安全を十分に確保できない場合や、適切な照明のエリアから出てしまう場合、ジャッジの死角に入り十分な審査ができない場合などがあるため、選手は示された演技エリアの中で演技をするように心がけなければならない。

万が一、演技エリアから出た場合も、クリッカーによる減点や評価点へのペナルティなどはない。

使用ヨーヨーについて

ヨーヨーのメーカー・種類・パーツ交換・メンテナンス・改造に特別な制限はない。

※ただし電動で回転をつけるもの、回転を補助するものに関しては、トリックの成否に影響が出るため利用不可とする。

観客・会場施設・選手自身の安全が脅かされる改造や演技を行った場合、ジャッジは選手を失格にすることができる。

ストリングは、必ず競技ヨーヨー専用に制作されたもので、事前に安全性を十分に確認したものを使用しなければならない。
(運営注:ストリング切断等による怪我や事故が発生した場合は、ストリングの使用者の責任となる。また、スポーツ保険の適用に関しては状況に応じて別途対応するものとする)

特殊なスタイル(ゴーウエスト・ロングストリング・透明ストリング等)を行う場合は、ジャッジの安全確認を受けた上での使用を認めることができる。

選手本人がステージ上に用意したヨーヨー以外、使用してはならない。選手は演技中に他者からヨーヨーを受け取り、それを使用することもできない。オフストリングやカウンターウエイトなどでステージから落ちたヨーヨーは、観客が善意でステージの上に戻しても、それを選手は使用することができない。もし、そのヨーヨーを使用した場合、その間は加点されない。ただし、減点の対象にはなる。

選手は必ずヨーヨーをヨーヨーとして使用し、演技しなければならない。そのほかの部分は評価対象外とする。

選手は事前に登録したスタイルで演技しなければならない。そのスタイルに属さないスタイルを選手が演技した場合は、その部分は加点対象として審査されない(ただし減点対象としては審査される。)例えば、オフストリング以外を登録した場合でのオフストリング要素は、加点対象にはならない。ヨーヨーの絡まり、構成上の都合などによる交換の場合でのみ、複数のヨーヨーを規定数以上使うことができる。

以下は同時に使用することができるヨーヨーの数である。

  • ワンハンドストリングトリック:1個
  • ツーハンドルーピング:2個
  • ツーハンドストリングトリック:2個
  • オフストリング:1個以上
  • カウンターウエイト:1個以上

規定数以上のヨーヨーを同時に手に持っている場合、すべて加点、評価の対象とはならない。

ヨーヨー以外の持ち込みについて

ヨーヨー・ストリング・カウンターウエイト・グローブ(もしくは準ずるもの)、予備のCD、大会側が用意したトレイ以外をステージ上に持ち込んではならない。メンテナンス道具、パフォーマンス用途を含む、ヨーヨー以外の小道具の持ち込みも一切認められない。バッグ・ヨーヨーケース・布・ジャケット・衣類(装着している衣装以外)・テーブルおよび装置等も認められない。ジャッジは違反選手を失格にすることができる。ただし、貴重品の管理などの理由で、手元に置く必要がある場合は、ステージ脇にのみ、バッグ、財布、携帯電話等を置くことができる。

B部門フリースタイルの審査基準・採点方法

B部門フリースタイルの採点は、「技術評価点(T.Ev)」と「表現評価点(P.Ev)」の2つの要素の合計から成り立つ。

「競技内におけるヨーヨー」の定義

  • ヨーヨーは巻かれたストリングをほどくことによって、回転し始めなければならない。
  • すべてのトリックは、ヨーヨーが回転している間のみ、採点対象となる。停止中は採点対象とはならない。
  • ヨーヨーは、自身の持つ回転エネルギーを利用して、選手の手に完全に巻きもどらなければならない。
  • 全てのトリック・動きは、ヨーヨーとストリング両方を活用したものでなくては、採点対象とはならない。

各スタイルの定義

  • ワンハンドストリングトリック
    1つのストリングトリック用ヨーヨーを使用し、ヨーヨーとストリングの接触・マウントを基本とするフリースタイル
    (1つのヨーヨーを1本のストリングに固定し、ヨーヨーが固定された反対側のストリングは片手に固定すること)
  • ツーハンドルーピング
    2つのルーピングトリック用ヨーヨーを使用し、2つのヨーヨーで円軌道を描くことを基本とするフリースタイル
    (2つのヨーヨーをそれぞれ1本のストリングに固定し、ヨーヨーが固定された反対側のストリングはそれぞれの手に固定すること)
  • ツーハンドストリングトリック
    2つのストリングトリック用ヨーヨーを使用し、2つのヨーヨーとストリングの接触・マウントを基本とするフリースタイル
    (2つのヨーヨーをそれぞれ1本のストリングに固定し、ヨーヨーが固定された反対側のストリングはそれぞれの手に固定すること)
  • オフストリング
    ストリングに固定されていないヨーヨーを使用し、ヨーヨーとストリングが離れていることで可能となる動きを基本とするフリースタイル
    (1つ以上のヨーヨーとストリングを使用し、ストリングはヨーヨーに固定せずその反対側を手に固定すること)
  • カウンターウエイト
    ストリングの反対側にカウンターウエイト(おもり)を装着し、ストリングが手に固定されていないことで可能となるヨーヨーとカウンターウエイトの動きを基本とするフリースタイル
    (1つ以上のヨーヨーとストリングを使用し、ストリングにカウンターウエイトを装着した状態でヨーヨーへ固定すること)

技術実行点評価要素

上級レベルのトリックエレメント(技術要素)が成功した場合に評価される。以下にその例を示す。

ワンハンドストリングトリック
  • マウント系(トラピーズなど)
  • ホップ系(イーライ・ホップなど)
  • ラセレーション系(フックなど)
  • リリースキャッチ系(スーサイド・キャッチなど)
  • ウィップキャッチ系(アイアン・ウィップ、スラックなど)
  • そのほか、ヨーヨーの難易度を伴ったワンハンドストリングトリックにふさわしい動き
評価対象とならない動きの例
  • ピクチャートリック(ヨーヨーを垂らした状態でストリングを使用し、形状を作るトリック)
  • ルーピング
  • オフフィンガー、モービアス(指からストリングを外して行うトリック)
  • ストリングと接触しないヨーヨーの単純な振りやピンホイールなど
  • ヨーヨーやヨーヨーの動きに、関与・影響しないストリングの動き
ツーハンドルーピング
  • ルーピング系(ループ、ホップなど)
  • ムーン系(リーチ・フォー・ザ・ムーン、プラネット・ホップなど)
  • ラップ系(ループ・ラップなど)
  • タングラー系
  • アラウンド・ザ・ワールド系
  • そのほか、ヨーヨーの難易度を伴ったツーハンドルーピングにふさわしい動き
評価対象とならない動きの例
  • 片手でのルーピング
  • ストリングトリック(ピクチャートリックを含む)
ツーハンドストリングトリック
  • ロール系(ベルベット・ロールズなど)
  • キンク系(キンク・フーなど)
  • トラピーズ系(2ハンド・トラピーズなど)
  • アシステッド系
  • コロコロ系
  • そのほか、ヨーヨーの難易度を伴ったツーハンドストリングトリックにふさわしい動き
評価対象とならない動きの例
  • ピクチャートリック(ヨーヨーを垂らした状態でストリングを使用し、形状を作るトリック)
  • ルーピング
  • ひとつのヨーヨーが、スリープしている、トラピーズをしているなど、同じ状態を保ち続けたままでの、もう一つのヨーヨーの連続した動き
  • トラピーズやマウントを伴わないタングラー
オフストリング
  • ウィップ系(オーバー・ウィップ、オープン・ウィップなど)
  • リキャプチャー系
  • ボヨンボヨン系
  • トス系
  • オービット系
  • そのほか、ヨーヨーの難易度を伴ったオフストリングにふさわしい動き
評価対象とならない動きの例
  • ピクチャートリック(ヨーヨーを垂らした状態でストリングを使用し、形状を作るトリック)
  • ルーピング
  • ヨーヨーがストリングから離れないトリック(基本のレーリング、サマーソルト、ストリングトリックをまねた動き)
  • その動き自体において、ヨーヨーがストリングに一切関与しない動き
カウンターウエイト
  • ディレクション・チェンジ系(ショルダー・ポップなど)
  • 360系
  • プロペラ系
  • ビー・スティング系
  • エアリアル系(エアリアル、メルトダウン・ジャンプなど)
  • そのほか、ヨーヨーの難易度を伴ったカウンターウエイトにふさわしい動き
評価対象とならない動きの例
  • ピクチャートリック(ヨーヨーを垂らした状態でストリングを使用し、形状を作るトリック)
  • ウエイトを握った状態でのトリック
  • ルーピング
  • ウエイトが、ぶら下がっている、揺れている、回っているなど、単純な状態を保ったままでの、ヨーヨーの動き
  • ヨーヨーが、ぶら下がっている、揺れている、スリープしている、ピンホイールをしているなど、単純な状態を保ったままでの、ウエイトの動き
  • ヨーヨーとウエイトが、お互いにまったく関与・影響せずに、独立している動き

同じトリックエレメントの2度目以降は原則として評価対象とならない。しかし、高難易度のリピートトリック(スーサイドの連続キャッチ等)、もしくは異なるトリックコンボ内での「技術要素」は、ジャッジの判断によって2度目以降も評価してよい。

ダンス、パントマイム、ジャグリング、アイソレーション、アクロバット、スピントップなどの技術をヨーヨーのトリックに取り入れたり、基本的なヨーヨーのトリックを行いながらそれらの技術を披露するなど、それらのヨーヨー操作の技術とは別の技術由来の特別な評価は、技術評価点の中では行われない。(注釈:ほかの技術を取り入れることによってヨーヨーのトリックの構造に変化があり、よりヨーヨーの技術として難易度が上がる場合は、評価対象となる。しかしながら、難しいダンスをしながら、2ハンドルーピングを行うなど、ヨーヨーの構造に変化が起きないものは、ダンス由来の特別な評価はない。)

技術評価点(TE : Trick Evaluation)60%

Aグループのジャッジは3個の項目をそれぞれ20点満点(合計60点)で評価する。20点の項目の採点時は、各項目10点満点で採点し、その点数を2倍したものが集計される。演技時間1分間を評価対象とする。

※A部門とは採点基準が異なります。

以下が採点される3項目である。

1.エクスキューション (EXE) – 20点

実行性。ミスの少なさ、完成度

  • 演技中に行われているトリックはミスなく行われていたか
  • 演技が予定通り行われているように見えたか
  • トリックが危うげなく行われていたか

2.トリック・クオリティ (TQL) – 20点

フリースタイルを通してのトリックの難度と量

  • 難度の高いトリックが多く組み込まれていたか
  • 簡単なトリックだけで構成されていなかったか
  • フリースタイル中、十分な量のトリックは行われていたか

3.トリックバリエーション (VAR) – 20点

トリックスタイルの多彩さ

  • バランスよく多彩なトリックスタイルが演技に織り込まれていたか
  • 同じようなトリックが長く続いていないか
  • 各々のトリックスタイルは完成度の高いものであったか

以上が技術評価点の3項目である。技術評価点は、選手の総合点の60%を占める。

表現評価点(FE : Freestyle Evaluation)40%

Bグループのジャッジは4個の項目をそれぞれ10点満点(合計40点)で評価する。

原則として、演技時間1分間を評価対象とする。ただし、演技前・演技後であっても、ステージ上で評価を損なう不適切なパフォーマンスを行った場合は、これも評価の対象とする。

※A部門とは採点基準が異なります。

以下が採点される4項目である。

1.コントロール (CTL) – 10点

ストリングのライン、ヨーヨーの動き、軌道の綺麗さ。旧称クリーンリネス(CLN)

  • トリック一つ一つは十分に練習されたものであったか
  • トリックはスムーズに行われていたか
  • トリックは見やすいように洗練されているか

2. ミュージック・ユース (MSC) – 10点

曲の必要性。音踏み、リズム、コーリアグラフィ(音楽に対する振り付け)

  • 音楽の雰囲気とトリックの雰囲気が合っていたか
  • トリックのテンポと、音楽のリズムが合っていたか
  • トリックや体の動きを音楽に合わせているか

3.ボディ・コントロール (BDY) – 10点

ステージマナー、プロフェッショナリズム、ステージ上での振る舞い、体の動き

  • ステージの上であることを意識していたか
  • 体の動きは洗練されていたか
  • 堂々と演技ができていたか
  • 多くの人に見てもらうものとしてふさわしい演技だったか

4.ショーマンシップ (SHW) – 10点

エンジョイメント、エンターテイメント、オーバーオールインプレッション

  • ストーリーやテーマはあったか
  • 衣装などを効果的に利用していたか
  • 見ている者を楽しませる、惹きつける演技であったか

以上が表現評価点(FE)の4項目である。表現評価点は、選手の総合点の40%を占める。

飛散(失格)

オフストリング・カウンターウエイトなどスタイルを問わず、制御を失ったヨーヨーがジャッジ席より後方となる客席に飛び込んだ場合は、その選手の該当演技は演技終了後、失格となる。
(危険な速さ、高さ、軌道で客席に飛び込んだヨーヨーが対象となる。ステージでバウンドしたかどうかは問わない。また、ステージから転がって落ちるヨーヨーは対象とはならない。)

最終得点

最終得点は以下の、2項目の合計となる。

  1. 技術評価点(T.Ev)60点満点
  2. 表現評価点(P.Ev)40点満点

ビデオによる審査

判断が難しい、もしくは死角などによりジャッジが演技中に的確な判断ができなかった場合、再確認をビデオなどを利用して行うことができる。

不慮の事故、審査用装置の不具合などで、特定のジャッジが一部の選手を正しく採点できなかった場合、ヘッドジャッジ(もしくはリードジャッジ)の監督のもと、ビデオによる審査・採点を部門終了後行うことができる。

同点の場合など

同点の場合は、技術評価点、表現評価点の順で順序づける。それでも同点の場合は、ジャッジの判断で同点またはふさわしい案を提案する。

ジャッジの決定は、絶対であり、最終決定である。

参加者は、上記のルールを読み、理解して競技に参加することとする。

(2019.1.21 更新)